セルディッド（神族-012）

口承

見目麗しきエルフの乙女、セルディッド様にございます。元来エルフとは森の奥深くに住まいを構え、滅多なことでは外界に出ないものだそうですが、セルディッド様はある使命を帯びて、森を出たそうでございます。
何でも、ある“兆し”を追い、見極め、それが清いものであれば導き、穢れしものであれば粛清しなければならないのだとか。その兆しとはどのようなものであるのか、私にはお教え頂けませんでしたが、セルディッド様はその旅を“暇つぶし”と楽しんでおられるようでしたわ。
しかし、その御役目故かはわかりませんが、セルディッド様は、何かに悩み、思い詰めているようにお見受けします。…いえ、御本人様から直接伺ったわけではございませんが、夜毎にセルディッド様が奏でる竪琴の音色が、想い人を求めるがごとく、あまりにも悲しげな響きだったものですから…。